一般社団法人よもぎハーバル協会代表理事の鈴川純子です。
よもぎ蒸しのあの蒸気には何か秘密があるのでは??と思われるかもしれません。

実際、単に温めるだけではなく、よもぎ(Artemisia argyi)の蒸気に含まれる精油成分が粘膜から吸収されています。
近年その成分に注目が集まっています。今回最新のGC‑MS分析による成分データをもとに、主要成分とそれらが持つとされる効果を整理しながら、よもぎ蒸しの魅力に迫っていきたいと思います。

 

 

①よもぎ(A. argyi)蒸気・精油成分とは?

GC‑MS(ガスクロマトグラフィー–質量分析法)による分析では、よもぎの蒸気蒸留液から以下の主要成分が検出されています:

✔1,8‑シネオール(ユーカリプトール):約30~40%
✔カンファー(樟脳):約12~14%
✔ボルネオール:約10〜12%
✔α‑テルピネオール:約3~4%
✔テルピネン‑4‑オール:約2~4%
✔β‑カリオフィレン、カリオフィレンオキシド:数%
✔α‑トゥジョン、トゥジョン類ケトンなど

また、蒸留水(ハイドロラット)にも、同様の酸化モノテルペンが高濃度で含まれていると報告されています(1,8‑シネオール約33%・カンファー約17%・ボルネオール約9%など)。
ヨーロッパの研究グループで論文も出されています。

  

②主要成分とその機能性について

よもぎ蒸しではなく、あくまで研究の際に出た結果から言えることを書きますね

  1. 1,8‑シネオール(ユーカリプトール)
    • 抗菌・抗ウイルス:気道感染症の軽減に有効という臨床報告も(慢性副鼻腔炎改善など)
    • 去痰効果・気道粘膜の保護:蒸気吸入による鎮静作用とともに、呼吸のケアに寄与
  2. カンファー(樟脳)
    • 局所血流促進:皮膚表面や粘膜の血管拡張に作用し、温感を即時に高める効果あり
    • 殺菌・抗真菌:マイコバクテリア、皮膚糸状菌に有効なエビデンスあり
  3. ボルネオール
    • 中枢リラックス作用:香りによる精神的な落ち着き、ストレス緩和に寄与
    • 抗菌効果・虫除け成分:軽い抗ウイルス活性も報告あり
  4. テルピネン‑4‑オール
    • 抗炎症・抗菌作用:マッサージオイルに広く利用される成分で、ニキビや呼吸器炎症にも有効性が示唆されています
  5. β‑カリオフィレンなどのセスキテルペン類
    • 抗炎症・鎮痛作用:内臓周囲の血流改善にも好影響を与えることが知られ、慢性的な冷えや痛みのケアに向いています

よもぎ蒸しはそれらの研究と非常によく似た環境でおこなわれているので、こちらの情報をシェアしました。

 

 

③精油成分が温活に与える“+αの価値”

成分・・・作用/温活との相乗効果
シネオール・・・抗菌・去痰/呼吸器の粘膜ケア
カンファー・・・血流促進/皮膚・粘膜温度を上げる
ボルネオール・・・リラックス/ストレス軽減
テルピネン‑4‑オール・・・抗炎症/炎症の起きにくい体内環境に
セスキテルペン・・・抗炎症・鎮痛/冷えによる不快感の緩和

これらはすべて、高温の蒸気を通じて粘膜吸収されやすい性質を持ち、それにより即時的な温感アップと、体のバランスに働きかける機能を併せ持っています。

 

④科学的根拠:よもぎ蒸しに学ぶ機能性

  • 抗炎症作用:A. iwayomogi の精油内成分(例:vulgarone B)が、マクロファージの炎症誘導物質(NO、IL‑1β、IL‑6、PGE₂)を抑制する試験結果あり
  • 酸化ストレス軽減:蒸留液が抗酸化活性を持ち、細胞の酸化ダメージを和らげる機能も確認されている
  • 血流改善:樟脳やボルネオールなど、皮膚や粘膜への刺激で局所循環を促す機序が認められる

 

⑤他の温活との比較は?

一般的な湯船や岩盤浴と比べても、粘膜からの揮発成分吸収という特異な利点があります。
• 湯船:主に表面温度の上昇+リラックス
• 岩盤浴:遠赤外線による深部加温
• よもぎ蒸し:精油成分の機能性+粘膜温浴の組み合わせ

よもぎ蒸しは、ただ“温める”だけでなく、蒸気の粘膜吸収がポイント。
なので、ライナーを当てることも何かを塗ることでもなく、あのひと手間かかる蒸気にポイントがあるのです。

実践アドバイス+注意点
頻度:週2〜3回が目安。症状に応じて量的調整を
時間:20から30分程度を目安に、体に合わせて調整
香りの感じ方:心地よさを基準に、無理のない環境設定をする
敏感肌の方・妊娠中の方:蒸気の熱さや濃度に配慮し、医師など専門家に相談の上で入ること

 

まとめ

豊富な科学データに裏付けられた精油成分(シネオール、カンファー、ボルネオール、テルピネン‑4‑オール、セスキテルペン類)は、ただの温浴以上の抗菌・抗炎症・リラックス効果をもたらします。

よもぎ蒸しは、体を温めるだけでなく、よもぎ精油による内側からのケア機能を取り入れた温活手段。
つまり、アロマテラピー効果があると言えます。
そこから香りの芳香作用もあり、リラクゼーションへと繋がっていくのです。

当協会では、香りにこだわってブレンド配合を独自にしております。

 



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