こんにちは。一般社団法人よもぎハーバル協会代表理事の鈴川純子です。
みなさんは「よもぎ蒸し」という言葉を耳にした際、その効果についてはどのような印象をもたれていますか?
「気持ちいい」「体が温まるらしい」「冷えが和らぐよ」など体験談レベルの情報が多く、
科学的な根拠はどうなのか?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
よもぎ蒸しは中国・韓国で古くから伝わる民間療法を起源とし、日本でも女性を中心に広く実践されていきました。
しかし、医学的な観点からの検証はこれまで十分ではなく、現在も研究の途上にあるのが現状です。
ちなみに、漢方薬はエビデンスがなく、歴史そのものがエビデンスと言われており、
主観・体感が元になって今も流通している現実でもあります。
ここでは、これまで国内外で行われてきたよもぎ蒸しに関する臨床研究や調査を整理してみました。
そこから、今後の展望について考えてみたいと思います。
①韓国での研究事例

よもぎ蒸し(韓国語では「チムジル」や「チャイモク」などと呼ばれる)は韓国の伝統的な民間療法として知られ、
韓方医学の一部としても位置づけられています。韓国では産後ケアの一環として利用されることが多く、
婦人科領域での健康維持を目的とした文化的背景があります。
いくつかの韓国の大学病院や研究機関では、以下のようなテーマで調査が行われてきました。
- 産後の回復に対するよもぎ蒸しの影響
- 婦人科症状(生理痛・不妊症・更年期症状)への有効性
- よもぎに含まれる精油成分や揮発性物質の分析
ただし、これらの研究は症例報告や小規模な臨床試験にとどまることが多く、
国際的に医学的エビデンスとして認められる段階にはまだ至っていません。
②日本での取り組み

日本でもよもぎ蒸しが広まってきました。私自身起業したのが2018年、よもぎハーバル協会の設立が翌年でしたが、
2022年ころから展示会出展、コロナ禍でとても認知度があがり、サロンや家庭用のセットが普及してきました。
しかし、国内での臨床研究は極めて少ないのが現状です。
報告例としては、
- よもぎ蒸し後の体温変化をサーモグラフィで観察した研究(弊社も1名を対象に実施したことがあります)
- アンケート調査による「冷えの改善」「リラックス効果」の検証(弊社も去年おこないました)
- 一部の大学や研究機関での基礎的な蒸気成分分析
などが挙げられます。
ただし、これらも学会発表や小規模調査が中心で、査読付き論文として国際的に認められた研究はほとんどありません。
③世界的なエビデンスの現状

国際的な論文データベース(PubMedなど)を調べても、
「よもぎ蒸し(mugwort steaming, vaginal steaming)」に関する報告は非常に限られています。
アメリカでは「vaginal steaming」として一部の代替医療の文脈で紹介されることはありますが、
医学界では懐疑的な意見も多いのが現実です。「感染症リスク」や「やけどの危険性」など、
安全面に対する注意喚起の記事のほうが多く、肯定的な研究はまだ十分に出ていません。
④よもぎの成分研究

一方で、「よもぎ」という植物そのものについては数多くの研究が進んでいます。
- シネオール、ツヨン、アルテミシニンなどの揮発性成分
- 抗菌作用、抗酸化作用、抗炎症作用の可能性
- 消化機能改善や鎮静効果
これらの知見をよもぎ蒸しの効果にどう結びつけていくかが、今後の課題となっています。
⑤今後の展望

よもぎ蒸しは長い歴史と多くの体験談に支えられてきた民間療法ですが、
これからの時代に広く受け入れられるためには「科学的根拠の構築」が欠かせません。
特に重要なのは以下のポイントです。
- 標準化 ― 使用するよブレンド、施術時間、温度条件などを明確にすること。
- 客観的評価 ― 数値として測定し、再現性あるデータを取ること。
- 安全性の確認 ― 感染や熱傷リスクを回避するための使用基準づくり。
- 国際発信 ― 英文論文として研究成果を発表し、世界的に共有すること。
当協会では現在、冷え・ストレス・睡眠・体組成の変化を対象にした研究を進めており、
科学的なエビデンスの蓄積に力を入れています。
きっかけは色々ありましたが、一歩を踏み出すまでに時間がかかったのは、時間と予算とモニターさんの募集人数と研究の内容と・・・考えれば考えるほど大変だと感じていたからです。
でも、今回はどうにかその一歩が踏み出せたらと思っております。
「あたためは世界を変える」と心底思っているので、その気持ち一つで取り組んでいます。
モニターの皆様、ご協力誠にありがとうございます。
おわりに
これまでのよもぎ蒸し研究は、韓国を中心に小規模な報告がある程度で、
日本や世界ではまだ十分に検証されていません。
しかし、よもぎ自体の薬理作用や利用者の実感を裏付けるデータは少しずつ集まりつつあります。
今後は「伝統療法」から「科学的に評価された温熱療法」へと進化していくことが期待されます。
よもぎ蒸しに関心を持たれている方は、体験だけでなく、
その背景にある研究の進展にもぜひ注目していただければと思います。
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